日米インフレ率とドル円為替変動がかみ合わない
2016-02-22|FXのカラクリ(初心者向け)

体格変わりすぎじゃね?
2/19に米労働省が発表した1月の消費者物価指数によると、コアCPIが0.3%上昇(前年同月比は2.2%上昇)になったそうです。
これは2011年来の大幅な伸びで、家賃や医療費の上昇が物価を押し上げたとのこと。
全然インフレターゲットが達成できない日本と違い、米国は随分物価が上昇しているようですね。
これは追加利上げにも、期待が持てるかも。

出典:世界経済のネタ帳
日米を比較すると、米国のほうがずっとインフレ率は高めです。
アベノミクス(というか消費税の便乗値上げ)で急激に物価が上昇した2014年~2015年除いて、日本のインフレ率が米国を上回ったことはありません。
米国が久しぶりの利上げ期待でデフレ化していなければ、2014、2015年も負けていたかもしれませんね。
インフレ⇒利上げ⇒ドル高
と連想しがちですが、本来インフレ=通貨の価値が下落するということなので、日米のインフレ差の分だけ円高・ドル安が進むはずです。
上のグラフによると平均で2%ほど米国のインフレ率のほうが高いのだから、理屈通りならUSD/JPYが毎年2%ずつ下落していくことになります。
しかし、現実の為替相場を見ると、全くそうはなっていません。
確かに2008~2011年はずっと円高でしたから、下落していたのは間違いありません。
しかし、その速度は2%よりずっと高かったし、酷い年は10%以上下がりました。
2012年以降は大したインフレ差がないのに、ドル円は一気に30%も上昇しました。
インフレ率と為替変動は、全然一致しませんね。
これは為替取引の大半が投機によるもので、実需はほんの一部だからなのでしょう。
輸出入で為替が動くよりも投機ポジションのほうがずっと大きいから、理論通りには動かないわけです。
しかし、長いスパンで見れば、この矛盾がいつまでも続くとは考えられません。
物価がどんどん上がっているのに通貨はどんどん高くなる、とかあり得ないでしょ?
グローバル化が進めば進むほど商品とお金の流れが均衡化しますから、いつかは物価と為替レートが一定の水準に収束するはず。
(逆に為替が物価をコントロールする場合もあるが)
アベノミクスがいつまでもインフレターゲットを達成できないままで、米国がこれまで通りのインフレを続けるのなら、いつまでも円安・ドル高が続くことはありません。
いずれ両国の物価に応じた修正が入り、妥当な為替レートへになっていくことでしょう。
(もしかしたら、現在の暴落がその修正なのかもしれない)

目標未達のままでは、円安株高は進まない。
もうちょっと頑張ってくれないと、支持率下がるぞ。
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